院名:大岡山ウィメンズクリニック 住所:〒145-0062東京都大田区北千束3-23-5 万栄ビル2F 
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性病・性感染症

性病・性感染症とは

性感染症(性病)とは性病・性感染症(STD:Sexually Transmited Disease)とは、性行為によって細菌やウイルス、寄生虫が感染して発症します。性感染症にはさまざまな疾患があり、主な症状は外陰部のかゆみや痛み、おりものの変化です。ただし、症状がほとんどないものや、男女で症状の現れ方が全く違うものがあります。

性感染症の中には違和感程度の症状しかないものでも放置してしまうと不妊の原因になるものもあります。また、性行為により感染を広げてしまうだけでなく、母子感染で赤ちゃんにうつってしまう性感染症も存在します。
パートナーの性感染症がわかったら、また「もしかしたら」と思ったら早めに受診してください。

主な性感染症

クラミジア感染症

性感染症の中で最も多くみられる病気です。病原体はクラミジアトラコマティスで、性行為における粘膜同士の接触で感染し、潜伏期間は1~3週間程度です。

男性の症状は排尿時の痛みや尿道のかゆみがありますが、女性の症状はおりものの変化程度で無症状のことも珍しくありません。また、感染からかなり経過してから腹部の痛みが起こり、クラミジア感染に気付くケースもあります。放置すると不妊や流産を起こすことがあるため、早めにしっかり治す必要があります。

女性の場合、おりものを採取して抗原の有無を調べ、1週間程度で結果が出ます。感染していた場合には抗菌薬による治療を行います。
オーラルセックスの場合、咽頭に感染することもあります。

淋病

性行為による粘膜接触で淋菌に感染して発症します。潜伏期間は2~7日と短いのですが、女性は感染しても症状が軽く、おりものの変化や不正出血程度で気付かないケースも多くなっています。放置すると不妊の原因になりますし、母子感染で赤ちゃんが淋菌性結膜炎を発症する可能性もあります。

クラミジアとの同時感染も増えており、どちらも症状に乏しいため両方の検査を受けることが重要です。おりものを採取して抗原の有無を調べて診断し、抗菌薬で治療します。ただし、淋菌はさまざまな抗菌薬への耐性率が高くなっているため注意が必要です。適切な診療を受けて、しっかり治しましょう。

トリコモナス

トリコモナス原虫によって起こる感染症で、性行為による感染の他、まれに浴槽を介した感染やタオルの共有などによる感染も起こります。そのため、性行為経験がなくても感染する可能性があります。感染がわかったらできるだけ早く適切な治療を受け、日常生活でも感染を広げないように注意する必要があります。

外陰部のかゆみ、おりものの臭いや泡状になっているなどで感染に気付くこともありますが、自覚症状に乏しいケースもよくあります。おりものを採取して顕微鏡で観察して感染を確認できることもありますが、診断では培養検査を行います。治療には原虫用の内服薬や膣坐薬を用います。

カンジタ症

原因となるカンジダ菌は真菌というカビの一種です。カンジダ菌は腸や膣に常在している菌ですが、通常は善玉菌である乳酸菌が過剰な増殖を抑えています。外陰部の過剰な洗浄、抗生剤の内服によって乳酸菌(デーデルライン桿菌)が減少するとカンジダ菌が増殖して症状を起こし、妊娠中にも高ホルモン状態においてもかかることがあります。性交後の膣内環境変化によってカンジダ菌が増殖することもあるため、性行為が発症に関わっているケースもあります。

症状には強いかゆみがあり、ポロポロで白いおりものも特徴的です。すぐに診断がつく場合がほとんどですが、他の性感染症が疑われる場合にはおりものの培養検査を行ってから診断します。
乳酸菌が自然に増えることで症状が改善する場合もありますが、かゆみが強い場合には抗真菌の膣坐薬やクリームなどによってできるだけ早く症状を改善に導きます。

梅毒

ひと昔前にはほとんどみられなくなっていた性感染症ですが、最近になって患者数が年々増加しています。梅毒トレポネーマ・パリドムという病原体が性行為によって感染し、潜伏期間の約3週間を過ぎて赤いしこりやただれができて、周辺のリンパ節が腫れます。これが梅毒の第1期の症状です。

性器だけでなく、口などにも感染するケースがあり、第1期の症状は感染した場所に生じます。第1期の症状がいったん治まった後、3~12週間で第2期の症状が現れます。発熱、全身倦怠感、皮膚の発疹が第2期の症状です。その後、第3期と第4期では10~30年の間に心臓や血管、脳が侵されていき、最終的に死に至ります。

抗菌薬による治療で治すことができますので、第3期や第4期まで進行してから発見されることはほとんどありません。
なお、梅毒を未治療のまま妊娠してしまうと誕生した赤ちゃんが母子感染する可能性がありますが、現在は妊娠初期に全例検査が行われているため早期診断と治療によりリスクを減らせます。

コンジローマ

ヒトパピローマウイルスが性行為の際の皮膚や粘膜病変などの接触によって感染して発症します。ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因として有名ですが、コンジローマを起こすヒトパピローマウイルスとは型が違います。潜伏期間は3週間~8ヶ月で、性器や肛門周辺にカリフラワー状の腫瘤ができます。女性は膣周辺の構造物とコンジローマの腫瘤が似ているケースがあるため、病変と疑わしい部分の組織を採取して病理検査で確定診断を行うこともあります。

放置していると腫瘤が増殖してしまうため、薬剤の塗布、または液体窒素療法などの治療が必要になります。ウイルスを退治する薬がないため潜伏して再発するケースも多いのですが、自己免疫によって自然にウイルスが排除されることもよくあります。

性器ヘルペス

ヘルペスウイルスが性行為によって皮膚や粘膜病変部と接触して感染し、発症します。口周辺にできるヘルペスも同じウイルスの感染によるもので、オーラルセックスによって感染するケースもあります。

潜伏期間は2~10日で、外陰部の水疱やびらん、強い痛みがあり、悪化すると排尿時に外陰部に激痛が伴います。特にはじめて発症した際には激痛が起こることがあり、歩行がままならなくなるケースもあります。症状が治まっても疲れや体調の乱れ、ストレスなどによって免疫が弱まると再び症状現れることが多く、その際にはヒリヒリするような予兆を感じることもあります。

基本的にすぐ診断できる場合が多いのですが、場合によっては病変部の組織を採取してウイルス分離や抗原検出を行うこともあります。治療では、抗ウイルス薬の内服や塗布を行います。

おりものにご注意を

おりものの変化は、女性特有の病気やお身体の変化を知るための重要なサインです。おりものは、膣の古い細胞、子宮頚管の粘液など、さまざまな分泌物が混じったもので、帯下(たいげ)とも呼ばれています。性感染症は女性の場合、自覚症状がほとんど現れないものが多いのですが、おりものの微妙な変化でいち早く発見できる可能性があります。

発見が早ければそれだけ早く治せますし、お身体への影響も少なくてすみます。そして早く治すことで、大事な方にうつしてしまうリスクも抑えられます。
おりものの量、色、臭い、粘りや泡の状態といった質感がいつもと違うと感じたら、放置せずにできるだけ早くご相談にいらしてください。

TEL:03-5754-2814
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