中絶手術の流れ
診療のご予約、受診、ご相談
妊娠の有無の判断が不可欠です。保険証を持ってご来院ください。尿検査、エコー検査、内診などで妊娠の診断をします。
中絶手術を受けられる場合には、手術前に必要な血液検査を行って手術日を決定し、必要な同意書などの書類や手術についてわかりやすくご説明しています。
なお、ご不安や迷いがある場合も、ご自分にとってよりよい選択をされるためにまずは受診してください。パートナーやご友人、ご家族をお連れになっても大丈夫です。
妊娠の継続、人工妊娠中絶手術の内容、それぞれのリスクや実際に必要になることなども専門家の立場からくわしくご説明しています。
手術前日
手術の前日は、夜9時以降の飲食が禁止となります。普段、お薬を服用されている方は、事前に医師から伝えられた指示に従って休薬・服薬してください。
なお、手術後はシャワーを浴びることはできますが、検診で医師の許可が出るまでは浴槽に浸かることができません。そのため、前日は入浴しておくことをおすすめしています。
手術当日
飲食をせずに、指定された時間までにご来院ください。トイレをすませたら、血圧や脈拍を計測します。
麻酔の事前準備となる注射を行って、点滴を受けます。
麻酔
準備ができたら、静脈麻酔を点滴から注入します。10数えるうちにウトウトと眠ってしまい、手術が終わった時点で目覚めます。
手術中は脈拍や酸素濃度などを常時確認して全身状態をチェックしながらしっかりコントロールしています。
手術
掻把法である程度の子宮内容物を取り去って、その後吸引法で残ったものをきれいにします。手術の所要時間は5~10分程度です。
手術後は麻酔がきちんと覚めるまでベッドでお休みいただき、1~2時間程度でご帰宅が可能です。
手術後
ご帰宅して当日と翌日は安静に過ごして、処方された薬を服用します。
手術後の数日間は少量の出血がありますが、徐々に減っていってなくなります。出血や痛みなどが続く場合には遠慮なくご連絡ください。
次の月経が来るタイミングには個人差がありますが、ほとんどの場合は1ヶ月程度で月経がはじまります。もし、手術から1ヶ月以上経過しても月経が来ない場合には必ず受診してください。
手術後の注意点
安静
中絶手術の場合、手術直後は少しぼんやりしますが、しばらくお休みいただけばご帰宅が可能になります。ぼんやりした感じは睡眠をとって翌朝にはなくなっています。
翌日の出血や痛みは少ないことが多く、軽い家事やデスクワーク程度でしたら可能です。ただし、立ち仕事、歩き回ること、重いものを持つなど重労働は避けてください。
子宮が元に戻るまでには2週間程度かかりますので、それまでは無理をしないようにお伝えしています。
出血
当院では掻把法と吸引法のメリットを掛け合わせたハイブリッド手術を行っています。短時間で子宮内部をきれいにしますので、子宮が戻るのが早い傾向があります。子宮が早く、硬く小さくなるため出血リスクも抑えられます。出血は起こったとしても少量であることが多く、1~2週間で改善します。ただし個人差が大きいため、気になるようでしたら気軽にお問い合わせください。
ただし、腹圧が強くなる動作を行うなどで子宮がゆるんで出血が起こりやすくなります。また、体質で出血がなかなか止まりにくいケースもあります。
子宮が元に戻るまでの2週間程度は無理をしないようにしてください。また出血が止まりにくい体質の場合には特に注意してください。
痛み
手術後に子宮は元の大きさに踊ろうとして収縮痛を起こします。生理痛が強い方、子宮の形状で屈曲が強い方に起こりやすく、麻酔が早く目覚めてしまった際に感じることもあります。
時間経過とともに軽くなっていき、ご帰宅の際には軽い生理痛程度にまで治まることがほとんどです。
収縮痛は手術後数日で消えていきますが、無理をすると痛みが強くなりやすいので安静を保つよう心がけてください。
入浴
当日にご帰宅してからシャワー程度でしたら可能です。バスタブに浸かる入浴に関しては、手術後の再診で医師の許可が出るまでは控えます。
手術後は子宮から多少の出血があり出口が開いている状態ですから、バスタブに浸かることで雑菌が入る可能性があります。また、バスタブに浸かって血行が改善すると出血量も増えてしまいます。
飲酒
飲酒は血行を促すため、出血があって子宮の収縮がある程度進むまでの1週間は控えてください。
性交渉
手術後2週間が経過して、出血が完全に止まり、他の症状がなにもなければ可能です。
生理の再開
毎月、ある程度規則正しく生理が来ていた場合、手術後は1ヶ月~2ヶ月ほどで生理が再開するのが目安となります。ただし生理不順のある方では、もっと遅くなることがあります。
手術後の生理は痛み、量や期間、色などが変わることもよくあります。徐々に元に戻っていきますので、あまり心配し過ぎないようにしてください。
避妊
女性が確実にご自分の身体を守ることができる避妊法の低用量ピルをおすすめしています。ピルの服用は生理が再開したタイミングではじめるため、それまでは他の方法で避妊いただき、手術後の最後に受ける検診時に処方してお渡ししています。
ただし。次の生理が来る前に続けて妊娠してしまうケースも存在します。こうした可能性がある場合には手術後すぐのピル処方も行っています。
避妊のさまざまな方法やそのメリット・デメリットをわかりやすくお伝えしておりますので、お気軽にご相談ください。